絶対的な速さを追求するよりも、クルマを操ることに楽しさを求める人に最適の車種と言える名車2代目トヨタMR2(SW20)について、簡単にまとめてみました。
パワーユニットは、トヨタのスポーツエンジンとして20世紀の最後を飾った、名エンジン3S-G型2L直列4気筒DOHCエンジンです。
当時はセリカなどにも搭載され、WRC(世界ラリー選手権)でも大活躍したエンジンです。MR2には自然吸気とターボの2種類が用意され、前者は165ps、後者は225psを発生。
1993(H5)年10月以降のモデルでは、それぞれ180psと245psまでパワーアップされました。
トランスミッションは、走りを楽しむモデルだけに、自然吸気エンジン搭載モデルのみ、4ATが設定されており、外は全て5MTです。
サスペンションは4輪ストラット式を採用。1991(H3)年12月以降では、ビルシュタイン製ショックアブソーバー採用モデルも設定しています。
運転席エアバッグは1996(H8)年6月以降のモデルには全車に標準採用されました。
●エクステリア
短く低いボンネットと、前進させたキャビンが作り出すフォルムやサイドのデザインなどはミッドシップならではの躍動感にあふれています。
一方、細部のデザインはおとなしく、フェンダーフレアの膨らみなどもことさら強調されることもなく、力強さがありながら走りや限定というイメージではなく、スタイリッシュで女性にもよく似合うデザインに仕上がっています。
エンジンルームの後部にはトランクもあり、ボストンバッグ2個程度なら収納可能。
ただし、トランクはエンジンの熱をじかに受けるのでその点注意が必要です。
●インテリア
カップホルダーは付いていないが、背もたれの後ろには小物入れがあるなど、日常での利便性も配慮されており、また、運転者側に向けられたセンタークラスターや大型コンビネーションメーターの採用で操作性、視認性にも優れており、運転席はスポーツカーらしく囲まれ感があります。
空間そのものは意外と広く窮屈感はありませんが、シートはほとんどリクライニングできないのでその辺は覚悟しましょう。
一言で言うなら、日常のドライブでも機敏な操作感が楽しめる車です。
最大の魅力は、何と言ってもミッドシップレイアウトがもたらす軽快な走りです。
エンジンやトランスミッションを運転席と後輪の間に配置することで俊敏な回頭性能を実現しています。
操舵にダイレクトに反応するノーズの動きはミッドシップならではで、ごく普通に交差点を曲がるだけでも機敏に動き、MR2らしさを味わうことができます。
ただし、限界を超えた際の挙動はジャジャ馬で、リアが唐突に滑り出し、予期していないとカウンターステアが追いつかないこともあります。
この点はマイナーチェンジごとに改良されており、1993(H5)年10月以降の2型モデル以降はリアサスペンションに手が加えられ、安定性が格段に良くなっていますが、運転に慣れた人でないと扱いが難しい車ですので初心者マークの人は購入を控えましょう。